赤いうちわが揺れる夜
2026/7/14使用したAI Stable Diffusion
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「ごめーん!」

駅前に響いた声に、美咲は腕時計を見てため息をついた。

「十分遅刻」

「三人まとめて来たんだから許してよ」

息を切らした奈緒、由香、真理が笑いながら駆け寄ってくる。四人とも色違いの浴衣姿で、人波の中でもひときわ目を引いた。

「ほら、お詫び」

真理が取り出したのは赤いうちわだった。

「屋台でもらったの。四枚あったから、おそろい」

四人はうちわを手に、花火会場へ向かった。

河川敷はもう人でいっぱいだった。

最初の一発が夜空を照らすと、青、金、紫、緑――色とりどりの花火が夜空いっぱいに咲く。

「きれい……」

誰かがつぶやく。

その瞬間、美咲は少し離れた土手の上に、赤いうちわを持った浴衣姿の少女が立っているのに気づいた。

「ねえ、あの子……」

振り返ると、三人は花火に夢中だった。

もう一度見ると、その少女は消えていた。

「どうしたの?」

「……ううん。見間違いかな」

続いて大きな尺玉が開き、夜空は昼間のように明るくなる。

歓声が上がる。

その光の中で、美咲は足元に古びた写真を見つけた。

拾い上げると、そこには四人の浴衣姿の少女が笑って写っている。

全員が赤いうちわを持っていた。

写真の端には、小さく日付があった。

二〇〇六年八月十三日。

「え?」

今年と同じ花火大会の日だ。

「そんな昔の写真、まだ残ってるんだね」

奈緒がのぞき込む。

「でも、この橋、今とは形が違うよ。」

由香が指差した背景は、確かに今の橋ではなかった。

「落とし物かな」

美咲が周囲を見回した、そのときだった。

風がふっと吹き、写真は手を離れて夜空へ舞い上がる。

慌てて追いかけたが、どこにも見当たらない。

まるで最初から存在しなかったように。

最後の大輪が夜空いっぱいに咲き、四人はそろって見上げた。

「来年も四人で来ようね。」

真理が赤いうちわを軽く振る。

「もちろん。」

四人のうちわが夜風に揺れる。

その少し離れた土手の上でも、誰かが静かに赤いうちわを振っていたような気がした。

けれど次の瞬間、そこには夜空を彩る色鮮やかな花火だけが、何事もなかったように咲き続けていた。
プロンプト
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ネガティブプロンプト
(worst quality, low quality:1.2), missing fingers, (blue eyes), red eyes, easynegative, makeup:1.2, bad-hands-5, Simple background, (monochrome), bangs:1.2,
Steps
18
Scale
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Seed
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Sampler
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Noise
0.75
Strength
コメント

 
ManZi ManZi 2025年12月より活動開始 96投稿1744フォロー270フォロワー 爽やかなエロが好き