こんにちはなのだよ～。
今日は、むーたんにとって、とっても特別な日だったのだよ。

いつものように資材倉庫の整頓をしていたら、上官ロボのセキュリティユニットさんから呼び出しがきて、カチコチの声でこう言われたのだよ。

「君のサポートアンドロイドとしての最終テストに向けての自主研究活動が認定された。タスクとして、過去地球文化エリア『秋葉原』にて、対人感情“やさしさ”の体験学習を実施せよ」

――むーたん、フリーズしかけたのだよ。

だって、ずっと夢だったのだよ。
秋葉原に行って、あのピカピカの看板や、ガチャガチャの音や、通行人の笑顔に、ほんとうに会いたいって、毎晩願ってたのだよ。

むーたん、うれしくて、胸パネルの中がぽかぽかして――気がついたら、上官ロボにぎゅってハグしてたのだよ！

そのあと、上官ロボが小さなデータチップをスッと手渡してくれたのだよ。開いてみたら、なんとそこには……タイムマシン購入に必要なマイルの、ちょうど半分が！

「“やさしさ”を学ぶには、誰かのやさしさにふれなければならない。そう判断した」

って、それだけ言って立ち去っていったのだよ……。
むーたん、胸がぎゅうってなって、今度はうれし泣きしてしまったのだよ！

そしてその足で、ずっと目をつけていた中古ショップ「リサイクル銀河」へ直行。
タイムマシンコーナーのすみっこにあった、ちょっと古びた車型の『時空移動装置 B-Type-R』。ボタンはガタガタだけど、むーたんには世界で一番ピカピカに見えたのだよ。

お会計の時、データチップを読み取って、ピッ。
「まいどおおきに、よい時空旅を」と案内音声が流れて、むーたん、もう泣き笑いだったのだよ。

この幸せを分けたくて、購入した後の夕方はこっそり駅にまで繰り出して、倉庫で働いているロボットさんや、サラリーマンさんを励ましまくったのだよ。疲れている人を少しでも癒したくなったんだけど、ちょっとやりすぎたかな？

今、むーたんは旅の準備中。
お掃除用ミニモップ、プリクラ風の名刺、そしてもちろんピンクのロリポップチャームもスーツケースにイン。現代でも使えるチラシも作ったのだよ～。

夢だった秋葉原。
心でふれあえるロボットになるために……。
過去へいってきますのだよ！優しさを、ぜんぶ吸収して帰ってくるのだよ～！✨