眩いライトが交差するステージの中央、赤い髪が汗と光をまとって輝く。
霧島紅葉――彼女は今夜、コスプレイヤーではなく“ステージの戦士”。
黒のロック衣装に身を包み、ギターを握る姿は、まるで炎のように熱く、そして美しい。

「いくよっ！　最後までついてきて――！」

ピックが弦を弾いた瞬間、轟くギターサウンドが会場を震わせる。
観客の歓声、照明の瞬き、心臓の鼓動が一つになって高鳴る。
その笑顔は、ただの演技ではない。
ステージの上でしか見せない“本当の紅葉”が、そこにいた。

汗を光らせながらウィンクする彼女は、まるでこう告げているようだった。

――「この瞬間だけは、私が世界を照らすんだ。」

赤い情熱が音に変わり、夜を焦がしていく。
それが、バンドガール・霧島紅葉の物語だった。