猫獣人のエルラ
2024/6/21使用したAI Stable Diffusion
年齢制限 全年齢
私はエルラ。ただのエルラ。
 農民の大半は名字を持っていない。
 ただうちの村だと村長一家だけは名字がある。
 田舎のマーシル村から出てきて一年。

「エルラ、どうだ調子は?」
「まぁまぁだよ」
「そろそろ誰かとパーティー組んだらどうだ?」

 ギルドの受付のオジサンがススメてくる。

「もう慣れちゃったから」
「そうは言うがな、ずっと薬草採取とスライム狩りしてる気か」
「いいじゃない。食べていけてるんだし」
「ギリギリだろ」
「えっ……うん……」

 薬草とスライム。
 どちらも安い。だから贅沢はできない。
 たまに草原にも魔獣の魔石が落ちている。
 この臨時収入があってなんとかトントンの生活をしている。
 薬草とスライムだけでは、冒険者をソロで続けるのは難しい。

「新人の教育係とかは?」
「みんな獣人なんかに教わりたくないでしょ」
「あ、ああ、そうはっきり言われるとこちらとしても申し訳ないが」

 獣人はこの都市にはあまりいない。
 まわりの田舎村に多く住んでいる。
 都市にいる獣人の多くは犯罪奴隷か借金奴隷なのだ。
 だから風当たりが強く、差別もある。

「肉串一つ!」
「はいよ」

 ギルドの酒場でお肉を食べる。
 スジが多く硬いが旨味が強い。オオカミ肉だ。
 この辺では森に多く生息していて中級のボリュームゾーンの冒険者がよく狩りをしてくるため、安い。

 もぐもぐ。

 よく噛んで食べる。美味しい。
 これでも村でイモばかり食べていたころより裕福だ。

「ごちそうさま」
「あっあの!」

 小さな女の子。獣人の。
 金髪の短髪からは猫耳が生えている。

「私を弟子にしてください!」
「え、でも、さっきの話聞いてたろ?」
「うん。でも、お姉さんしか、いなくて」

 ヒューマンが相手をするとは思えない。
 もちろん悪意を持って近づいてくる者は除く。
 この様子では早々に危険な目に遭うだろう。

「分かった、私が面倒見る」
「やった! ありがとうお姉さん」
「名前は?」
「シーラ!」
「いい名だね」
「うん!」

 シーラとは獣人の下級神と同じ名だ。
 マイナーだが獣人たちには慕われている。
 親は教養があったのかもしれない。

 手をつないでくる。その手はまだまだ小さく弱々しい。
 しかしとても温かかった。
 私はその手をぎゅっと握り返した。
プロンプト
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ネガティブプロンプト
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Steps
25
Scale
7
Seed
737887784
Sampler
DPM++ 2M Karras
Noise
0.75
Strength
コメント

 
syuribox syuribox 2022年10月より活動開始 7投稿5フォロー15フォロワー 書籍化作家、滝川海老郎/シュリボックスです。 AIイラストAI挿絵AI漫画を趣味で研究しています。