【圧倒的手料理･･ッ！】

ざわざわ･･

「なっ何だこれは･･！？料理だと？いや、これはもう料理の皮を被った芸術･･いや暴力ッ･･！」

ぐつぐつと音を立てる鍋。踊る炎。鼻腔を突き破る香り。
その全てが理性を破壊してくるのだった･･！

「見ろ、あの目を･･！狙っている･･！完璧な一皿を確実に仕留めにきてやがる･･！」

無駄がない。ブレがない。その手捌き、まさに職人の境地･･！

「トマト･･！バジル･･！モッツァレラ･･！ククク･･素材たちが自ら踊ってる･･！持ってやがる、意思を･･！」

熱された鍋の中で、ただの食材が化ける。
彼女の指先で、全てが生まれ変わる。

「やばい･･やばすぎる･･ッ！あの女･･！ただの料理人じゃない･･！悪魔的手際･･ッ！厨房のサディスト･･ッ！」

まるで魔術。いやもはや神業だった。
ひとつのミスも許されない世界で、彼女は平然と微笑んでいた。

「これがプロの、いや本物の圧倒的手料理･･！この地上に舞い降りた旨味の使徒･･ッ！！」

ざわざわ･･ざわざわ･･

──その夜、厨房は血の気配すら漂う戦場と化し、ひとつの伝説がまた刻まれたのだった。