名前を呼ぶ声
2026/1/10使用したAI Stable Diffusion XL
年齢制限 全年齢
人の流れに身を任せて、しばらく歩いた頃だった。

「……紅葉?」

最初は、空耳だと思った。
冬の街では、声はよく似た響きを持つから。

けれど次の瞬間、もう一度。
今度は、はっきりと。

「紅葉、だよね」

足が止まる。
吐いた息が白く滲み、その向こうから誰かが近づいてくる。

帽子の影に隠れていた紅葉の視線が、ゆっくりと上がった。

「……久しぶり」

その声を聞いた途端、胸の奥がきゅっと縮んだ。
忘れたつもりでいたのに、ちゃんと覚えていた声。

「こんなところで会うなんて思わなかった」

相手は少し照れたように笑い、手袋をはめたまま軽く手を振る。
人混みの中なのに、その人だけがやけに近く、やけに静かに見えた。

「元気そうだね」

「そっちこそ」

短いやり取り。
けれど、その間に流れる空気は、過去と今を一気につなぐ。

紅葉は、一瞬だけ視線を落とす。
白いダウンの袖を握る指先が、ほんの少し強くなった。

——変わったと思ってた。
——でも、変わってなかった。

「……寒くない?」

不意に投げられた、何気ない一言。
それが、妙に嬉しくて。

「うん。ちゃんと、冬だなって感じ」

紅葉はそう答えて、ほんの少しだけ笑った。
その笑顔は、昔より柔らかく、でも確かに同じ輪郭をしていた。

人の流れが、二人の横を通り過ぎていく。
けれどその一角だけ、時間が緩んだみたいだった。

「少し、歩く?」

相手がそう言うと、紅葉は一瞬迷ってから、静かに頷く。

白い道に、並んでできる二つの足跡。
それは、離れていた時間を埋めるように、ゆっくりと続いていった。
プロンプト
なし
2件のコメント
きよりん
相手は男?女?あぁどっちなんだろう?気になる!
こんなちょっとした再会がその後の運命的な出会いにあるかもしれないですね😁

せきチャソ
あ〜、こういうこと、本当にありますよねぇ♡
キュンキュンしちゃいますね〜


 
竜胆-Rindou-@AI_Art 竜胆-Rindou-@AI_Art 2025年2月より活動開始 221投稿120フォロー258フォロワー はじめまして(*´-ω-))ペコリ 竜胆(リンドウ)といいます。 まだまだ初心者の域を出ておりませんが、楽しんでイラストを生成しつつ、成長して行けたらと思います。どうぞよろしくお願いします«٩(*´ ꒳ `*)۶»