届かない。※ショートストーリー付
2025/12/7使用したAI Stable Diffusion XL
年齢制限 全年齢
ステージに立つたびに思い出してしまう。
――あなたの顔。

まぶしいライトの中で、観客は誰もかれも光の海に溶けてしまうのに、あなたの姿だけは、なぜかはっきりと浮かび上がる。

どうしてなんだろう。
私が探してしまうのは、たったひとり、あなたの影ばかり。

黒いジャケットの袖を握りしめるたび、胸の奥がきゅっと痛む。

「……今日こそ、伝えられるかな。」

そう思うのに、ステージに出る瞬間になると、言葉は喉の奥で震えて消えてしまう。

あなたに届けたい言葉を、
誰にも聞こえない声で、
何度も何度も呟きながら。

ライトが落ちる。
静寂が広がる。

私の指先は、無意識にあなたへ伸びていた。
まるで触れられると錯覚してしまうほど、あなたのことだけをまっすぐ想って。

「……ねぇ。もし私がここにいること、
 少しでもあなたの心に届いてるなら……」

そう願いながら、私は微笑むふりをする。
本当は泣きたくなるほど、あなたが遠い。

観客に囲まれているのに、どうしてこんなに孤独なんだろう。

あなたがそこにいるだけで、胸の奥が温かくなるのに。
同時に、痛くて、苦しくて――
触れられない距離が、永遠みたいに思える。

「届かないんだろうな……私の気持ち。」

けれど、ステージライトが広がるその瞬間、私はまたあなたを探してしまう。

届かないと知りながら、
名前すら呼べないまま、
それでもあなたへと--
手を伸ばしてしまう。

――ねぇ。
もし、ほんの少しでも私を見てくれたなら。

私はきっと、それだけで歌えるのに。
プロンプト
なし
2件のコメント
せきチャソ
ステージに立つ側の彼女のこの感情は、何とも言えず切ないですね

いつかきっと、その手が、声が、想いが…
その全てが彼女にとって大切な人に届くことを願って…

きよりん
手の届かないところにいる大事な人。
ちょっと切ない、そのうち声と手が届いて願いが叶うといいですね。


 
竜胆-Rindou-@AI_Art 竜胆-Rindou-@AI_Art 2025年2月より活動開始 152投稿102フォロー236フォロワー はじめまして(*´-ω-))ペコリ 竜胆(リンドウ)といいます。 まだまだ初心者の域を出ておりませんが、楽しんでイラストを生成しつつ、成長して行けたらと思います。どうぞよろしくお願いします«٩(*´ ꒳ `*)۶»