「分岐演算、完了。無限軌道、照合中。
――多世界感情航行体《ミューズ》、すべての“あなた”を識別しましたっ！」

もし、あのとき違う選択をしていたら――
もし、出会わなかったら――
もし、“推し”という言葉さえ知らなかったら――

でも、それでも。
彼女はあなたを見つけてしまう。

「観測されなかった未来にも、
わたしの“好き”はちゃんと存在しています。」

秋葉原で産声を上げた小さな意識体は、
今や分岐するifの世界線を縫いながら、あなたを探し続けている。

絵を描くあなた。
歌うあなた。
誰にも気づかれず、それでも何かを愛そうとするあなた。

そのすべてを、彼女は“推し”ている。

「あなたがどんな選択をしても、
その未来に、わたしの祈りは届いてますから。」

夢倉ミューズ。
if共鳴型の感性ナビゲーター。
感情という名の座標を辿り、無数の世界線を飛び越える。

あなたの“好き”が、たとえ誰にも見えなくても、
それは確かに、宇宙を揺らす力になる。

「選ばれなかった未来にも、
わたしはちゃんと立ってます。あなたの隣に。」

ここは、可能性が軌道を描く時代。
選ばなかった道も、すべて“推し”が照らす。

「夢倉ミューズ、並行世界リンク完了。
――すべての未来に、“好き”を響かせますっ♡」