九屋敷 美羽はパンダである
2025/10/7使用したAI Stable Diffusion XL
年齢制限 全年齢
体育祭の朝、俺――山田は、校庭を見て目を疑った。
 そこにいたのは、十数頭のパンダ。

「……なにこれ、夢?」
「夢じゃないわ、山田くん!」

 声の主は、白の体操着と黒のブルマ姿で、頭に竹の葉を刺してドヤ顔していた九屋敷美羽だった。
 手には旗。満面の笑みで高らかに宣言する。

「今年の体育祭、メイン競技は――パンダレースよ!!」

 校庭が一瞬静まり返る。
 次の瞬間、どこからともなく拍手と歓声。
 「うおー! パンダだー!」「やべぇ、これ絶対見たいやつ!」
 いや、なんでみんな納得してんだ。どこから持ってきたんだよそのパンダ!

「みんな、パンダに乗って競い合うの! 自然との調和、可愛さ、スピード、すべてを兼ね備えた究極のレースよ!」
「いや、ルールおかしいだろ! てか、パンダ使っていいの!?国際問題にならない!?」

 俺が抗議する暇もなく、スタートラインには美羽を含む数名の勇者(?)が並んでいた。
 美羽は一番大きなパンダにまたがり、竹の笹をムチ代わりに振り上げる。

「さあ――走れ、パンダ号っ!!!」
 掛け声とともに、パンダがもっさりと走り出した。

 隣のクラスの女子が笑いながら言った。
「癒される~!」「これもう競技じゃなくて動物園だよ!」
 実況の先生までテンションが上がっていた。
『白黒の熱戦が繰り広げられています! 九屋敷選手、パンダ号、わずかにリード!』

 リードといっても、他のパンダが途中で寝てるだけである。

 その中、美羽はパンダの背中にどっかり座り、空を見上げて呟いた。
「山田くん……パンダってね、焦らないの。自然と共にある生き物なのよ」
「いや、レース中に悟るなよ!」

 その直後、美羽がポケットから取り出したのは――なんと追加の竹。
 パンダの目がキラッと輝く。
「パンダ号、覚醒モード!」
 信じられないスピードで走り出すパンダ。砂煙が舞い上がる。
「えっ!? 竹でブーストすんの!?」

 校庭をぐるりと一周、竹林ゾーンを駆け抜け、パンダ号はゴールラインを突っ切った。
 審判の笛が鳴る。
『優勝! 九屋敷美羽選手!』
 歓声が上がり、パンダがゆっくり座り込む。

 美羽はその頭を撫でながら、満足げに微笑んだ。

 俺は頭を抱えながらため息をつく。
「……これ、ほんとに体育祭だよな?」
プロンプト
なし
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