心配は夕日に置いてきた
2026/4/4使用したAI Stable Diffusion
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エンジンを切った瞬間、世界がふっと静かになった。

 さっきまで確かにここにあった風の音も、アスファルトを滑るタイヤの感触も、すべて夕焼けの向こうに置いてきたみたいだ。
 ベンチ代わりのガードレールに腰を下ろし、私は愛車を見つめた。ほんの少しだけ泥のついた車体が、妙に誇らしげに見える。

「よく走ったね」

 誰に聞かせるでもなくつぶやくと、バイクは当然、何も答えない。
 けれどその沈黙が、なんとなく心地よかった。

 高速道路を使わない、ただそれだけのルールで始めた今日のツーリング。遠回りばかりで、正直、効率は悪い。でも、その分だけ知らない道に出会い、知らない景色に出会い、そして――少しだけ、自分に出会えた気がする。

 夕日は、容赦なくまぶしい。
 その光の中で、今日一日の出来事が断片的によみがえった。

 迷った道、偶然見つけた小さな食堂、信号待ちで隣に並んだ見知らぬライダーの軽い会釈。どれも特別な出来事ではないのに、なぜか胸に残っている。

 その一方で、頭の片隅では別のことが顔を出す。

 ――明日の会議、資料まだ詰めが甘いな。
 ――あの上司、また何か言ってくるだろうな。

 思い出した途端、現実がじわりと迫ってくる。
 さっきまでの風の代わりに、重たい空気が背中に乗る。

「まあ、いいか」

 私は小さく息を吐いた。
 どうせ心配したところで、明日は来るし、会議も逃げてはくれない。

 だったらせめて、この時間くらいは――。

 もう一度、バイクに目をやる。夕日を受けて、オレンジ色に染まったその姿は、どこか頼もしく見えた。

「明日も頼むよ」

 そう言ってから、少し笑ってしまう。
 会社に行くのに、バイクは何もしてくれないのに。

 けれど不思議なことに、そのひと言で気持ちは少し軽くなった。

 私は立ち上がり、ヘルメットを手に取る。
 夕日はもうすぐ沈む。

 ――明日のことは、明日の自分に任せよう。

 そう決めた瞬間、エンジンの音が、さっきよりも少しだけやさしく聞こえた。
プロンプト
best quality, masterpiece, (watercolor painting:1.2), (line art:1.0), (illustration:1.0), (cel anime:1.0) dramatic lighting, (silhouette:1.6), nostalgic, (silhouette of a motor cycle:1.2), honda super cub, Morning in Tokyo, The sun rises above the horizon:0.8, (orange Backlit clouds:1.5),
ネガティブプロンプト
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Steps
22
Scale
5
Seed
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Sampler
DPM++ SDE Karras
Noise
Strength
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ManZi ManZi 2025年12月より活動開始 61投稿1523フォロー157フォロワー 爽やかなエロが好き