月祈の巫女、赤薔薇の夜 ※ショートストーリーはキャプションへ!
2025/12/5使用したAI Stable Diffusion XL
年齢制限 全年齢
月が黄金色に満ちる夜、
その中心に立つ少女は――人々から「月祈(つきのり)の巫女」と呼ばれていた。

白銀の髪は静かな風に揺れ、
赤薔薇の髪飾りが淡く光を返す。
胸元に触れる指先はわずかに震えていたが、それは恐れではなく、
――覚悟を確かめる仕草だった。

彼女の名は セレスティア。

数百年に一度、
「赤薔薇の月」が浮かぶ夜だけ、
世界はひとつの願いを受け入れると言われている。

けれど、その願いを“捧げる”のは、人ではなく巫女自身。
願いの代償は、記憶。

誰かの未来を救う代わりに、
自分の昨日がひとつ消える。

今日は、
彼女が愛する誰かのために記憶を手放す日だった。

静かに目を閉じ、
金細工の装飾をまとう大きな円環に背を預けると、
彼女の唇がかすかに震えた。

「……大丈夫。
 私のことは忘れてもいい。
 あなたが明日を笑ってくれるなら。」

祈りの言葉が空へ溶けていくと同時に、
赤いリボンがふわりと浮かび、
彼女の最後の“昨日”がそっとほどけてゆく。

それでも少女は微笑んでいた。
彼女の胸に残る唯一の温かさだけが――
たとえ名前を失っても、確かに世界に灯るから。

黄金の月は静かに、
その決意を讃えるように輝いていた。
プロンプト
なし
コメント

 
竜胆-Rindou-@AI_Art 竜胆-Rindou-@AI_Art 2025年2月より活動開始 142投稿88フォロー233フォロワー はじめまして(*´-ω-))ペコリ 竜胆(リンドウ)といいます。 まだまだ初心者の域を出ておりませんが、楽しんでイラストを生成しつつ、成長して行けたらと思います。どうぞよろしくお願いします«٩(*´ ꒳ `*)۶»