桃香「これが海賊島かぁ。何か普通に男の人達も暮らしちょんのやな。」
露庵「この辺りはオーケニア領だけど中央の呪いが及ばないからね。普通に男女共に暮らしてるのよ。そんな島が幾つもあって、それぞれの島にオーケニアお抱えの海賊団が街を作ってるの。んで、貿易船の検査したり、海の厄介な魔物討伐したりしてるね。海賊らしい事する時は敵国船が領海に侵入した時くらいかな？」
桃香「島っちゅうか諸島なんやな。しかも海賊と言うか海軍とかが近そうやし。」

シルヴィア「帝国の支配下に入る前はもっと自由にやってたんだけどな。ま、今はそんなもんだと思ってくれりゃ良いぞ。」
ニュクス「土地の歴史を知るのはなかなか有意義な話だが、私のこの手枷は外す事は出来ないのかな？」
シルヴィア「外せるか馬鹿。いくら相手が許したからって示しが付かねぇだろ…」
露庵(私は許した訳じゃないけどね…)
桃香(ウチは別にそんな事して貰わんでも良いんやけどな…)

〜

？？「どうぞ、お茶です。」
桃香「お、ありがと。」
？？？「ニュクス副長も…って、どうしたんですかその手枷？」
ニュクス「大人の事情と言う奴だよ、気にしないでくれ。」

桃香「そんじゃ、話して貰おうか。」
ニュクス「君は2年前の襲撃を知っているか？」
桃香「いや…知らん。」

シルヴィア「その話ならオレ達が説明した方が早いな。」
露庵「そうだね。…何より私は当事者だったからね。」
桃香「当事者？」
露庵「正確には私と言うより私達、特に紫庵は襲撃を受けた時中心に居たからね。」

〜

露庵「2年前のあの日、まだ私は肉体が無くて精神体として紫庵に憑依してたんだけどね。」
桃香「そう言えば紫庵は中学の頃ずっとこっちに居たんだっけな。」
露庵「うん。…それで、あの日は他国からやって来た獣人達の護送をやってたの。今でもある事なんだけど、野盗に襲われない様に何人かの護衛を付けてオーケニアに送り届ける任務に就いてたの。私達はそうやって何度も亜人種をオーケニアに送り届けて来たわ。」

露庵「………でもあの日は違った！…何処から嗅ぎ付けたのか、天使の軍団が襲って来たのッ！」
桃香「天使が！？」