美月お嬢様の華麗なる食卓 六食目
2025/9/13使用したAI Stable Diffusion XL
年齢制限 全年齢
放課後の帰り道。秋風に乗って、甘く香ばしい匂いが漂ってきた。
「わあ、たい焼きだ!」「放課後のおやつに最高だよね!」
クラスの女子たちが目を輝かせながら、屋台に群がる。

その光景を少し離れた場所から見ていた美月は、扇子で口元を隠し、すっと鼻を鳴らした。
「お魚の形をした菓子を手掴みで……なんと無作法な。レディに魚を食べさせる時は、銀のナイフとフォークが必須ですのに」

周囲の友人たちは「また始まった」と苦笑するが、屋台から立ちのぼる湯気と甘い香りは、確かに人の心を揺さぶる。
焼き上がるたびにパリリと小気味よい音を立てる生地。その中に包まれているのは、黒々と艶めく餡子。
思わず、美月お嬢様の喉が小さく動いた。

「……ふん。あくまで皆さまの好奇心にお付き合いするだけですわ」
そう言って、財布から小銭を取り出す仕草もどこかぎこちない。
渡されたたい焼きは手のひらにずっしりと温かく、表面は金色に輝き、香り立つ甘味が鼻先をくすぐった。

「な、なによ、この……あつっ!」
慌てて一口かじった瞬間、外の皮がぱりっと割れ、中から熱々の餡子があふれ出す。
「……っ! こ、これは……! 舌の上を流れる紅蓮の溶岩! 甘さと熱さが渦を巻き、まるで火山の噴火を閉じ込めたかのよう!」
表面の皮は香ばしく、薄い鎧のように中身を守りながら、絶妙な歯ざわりを奏でる。
「外側は黄金の鎧、中は甘き炎……! このお菓子、ただの魚の形をした庶民食などではなく――お魚の姿を借りた聖獣ですわ!」

周囲で友人たちが笑いをこらえる中、お嬢様は夢中でたい焼きを食べ進めていく。
気づけば、残されたのは小さな尻尾の先だけ。

「魚の形をした菓子……まあ、庶民の遊び心にしては悪くありませんわね」
あくまで涼しい顔を取り繕いながらも、最後にはたい焼きの尻尾の先までしっかりと完食したのだった。
プロンプト
なし
コメント

 
ピッカ(AI Art repositor) ピッカ(AI Art repositor) 2023年9月より活動開始 491投稿53フォロー198フォロワー pop life department. m's × IROMIRAI 「25周年記念キャラクターデザインコンテスト」にて キャラクター《夢倉ミューズ》が最優秀賞をいただきました。 たくさんの応援とご縁に支えられて このような評価を頂けたこと、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。 AIイラストのお仕事のご依頼を募集中です どうぞお気軽にDMまでお声がけください