美月お嬢様の華麗なる食卓 二食目
2025/8/15使用したAI Stable Diffusion XL
年齢制限 全年齢
夏の午後、庭園の噴水から涼やかな水音が響く中、鵜飼美月はサマードレス姿で紅茶を口に運んでいた。

(……はぁ、もう三日目ですわ。ケーキもクッキーも口にせず過ごすなど、わたくし史上初の偉業ですわ)

理由は単純。夏服のウエストが、少々窮屈になったのだ。

そこにメイドのメアリーが銀のトレイを抱えて現れる。

「お嬢様、本日はお好きな苺のショートケーキをご用意いたしました」

ダイエット中の美月の瞳が一瞬だけきらめく。だが、すぐに表情を整えた。

美月の脳内で、計算機が動き出す。

(苺……一粒約5キロカロリー。生クリーム……50グラムで約200。スポンジ……この厚み、約150。合計……わたくしの三日間の努力を一撃で吹き飛ばすカロリー爆弾……!)

「今日はお腹いっぱいですの。甘味などお子様の喜ぶもの。わたくしほどのレディーには不要ですわ」

「では、下げますね」

と、その瞬間――本能が勝った。

「ま、待ちなさい……っ! べ、別に食べたいわけではありませんの。ただ、一口だけ品質を確かめて差し上げようと思っただけでしてよ」

(一口だけならまだセーフでしてよ……)

フォークが苺を切り、生クリームと共に口へ。

(……ああ、この香り……! まるで夜会で香水を振る舞う貴婦人の微笑のよう……)

生クリームと共に口へ

(……な、なにこれ……!? 真夏の白い雲が舌で溶け、その合間を陽射しを浴びた苺の妖精が駆け抜ける…… そして生クリームの甘やかさ、女神がシルクのドレスを翻し、舌の上で舞踏会を開いているよう!、ああん♡わたくしの理性の城壁を粉々に砕きますの……!)

二口、三口……気付けば皿は空。久しぶりの糖分が脳に伝わり判断力を鈍らせた、完全なる失策である!

(終わった……三日間の努力が……。わたくし、ダイエット戦争、完全敗北しましたわ……)

「……まあ、悪くありませんわ。甘さも苦みも均衡が取れ、食感も申し分なし。良い品質です合格点を差し上げますわ」

そして、視線を逸らしながら。

「……明日も作ってもよろしくてよ」


甘いカロリー戦争のあとに残ったのは、静かな敗北と――ほんの少しの幸福感だった。
プロンプト
なし
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