秘密の蛍
2025/6/8使用したAI Stable Diffusion XL
年齢制限 全年齢
「先生、こっちです。足元、気をつけて」

「ありがとう、華蓮さん……でも真っ暗ね。こんなところに本当にいるの?」

「います。蛍は、人の目を盗むのが上手ですから」

山の裾野の小川。町の明かりは遠く、虫の声だけが聞こえる。怜花は心細さに身をすくめながら、そっと足を進めた。

そして――

「……あっ……!」

藪の向こうに、ふわり、と一粒の光。続いてもう一つ、さらに三つ、七つ……やがて、まるで夜空の星が地上に降りてきたように、あたりが蛍の光に包まれた。

「……きれい……」

「光っているのは、お腹です。発光器という器官で――」

「ちょ、ちょっと待って。今は理科の時間じゃないわよ?」

「先生が、何も言わずに見とれているから」

華蓮は小さく笑った。怜花は苦笑しながら、すぐそばの光を見つめる。

「……でも、すごいね。あんなに小さいのに、こんなに強く光るんだ」

「そうですね。生き物の光は、ただの明かりじゃない。伝えたい相手がいるから、光るんです」

「……ロマンチックなこと言うのね、華蓮さん」

「言葉がなくても通じるって、ちょっと羨ましいです」

蛍の光が、ふたりの足元をかすかに照らす。

「……先生」

「なあに?」

「光ってない時間も、彼らはちゃんとそこにいます」

「……うん」

「見えないだけで、ずっと、そこにいる」

蛍たちが、またふわりと飛び交う。

沈黙が落ちる。でも、ふたりにはそれが心地よかった。

「……もう少し、ここにいましょうか」

「はい」

光は小さく、でも確かにふたりを包んでいた。
プロンプト
なし
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