秘密の浴衣
2025/6/5使用したAI Stable Diffusion XL
年齢制限 全年齢
祭りの夜、境内の片隅。屋台の喧騒から少し離れた石段に、浴衣姿のふたりが並んで座っていた。

「……華蓮さん、本当に似合うわね。その浴衣」

「ありがとうございます。先生こそ、普段と雰囲気が違って、少し……綺麗です」

「えっ……そ、そう?」

怜花は頬を押さえてそっと目をそらす。浴衣の襟元からのぞくうなじが、わずかに火照っているようだった。

「帯、さっき引っ掛けて、ちょっと歪んでしまって。……直ってるかな?」

「ええ。直ってますよ。でも……」

「でも?」

「先生、帯の位置、反対です。文庫結びが……後ろじゃなくて、横になってます」

「えっ!? うそ、ずっと……っ!?」

 怜花は恥ずかしそうに帯を直そうとする。

「大丈夫ですよ。先生、そのままでも可愛いので」

「もう……からかって?」

華蓮は微笑みながら

「フフッ少しだけ。でも、少し……本音です」

怜花はしばらく絶句し、ふと吹き出す。

「なんだか、今日はずっと、華蓮さんにペースを握られてる気がするわね」

「それはきっと、浴衣の魔法です」

「……魔法?」

「着慣れない布で包まれると、心もほどけるんですよ。帯の締め方とは、反比例で」

「なるほど。じゃあ、もう少し魔法にかかってようかな~?」

怜花はいたずらっぽく言う

「ええ。夜風が涼しくなるまで……」

ふたりの間に、少しだけ手のひらが近づく。指先がふれるか、ふれないかの距離。

花火が遠くで上がる音がして、夜空に淡い光がにじむ。

「先生」

「うん?」

「来年も、一緒に来ませんか?」

怜花は驚いたように振り向き、照れくさそうにうなずいた。

「……そうね。来年も……ね……」

夏の風に、浴衣の裾がふわりと揺れた。
プロンプト
なし
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