囲まれたな。
多勢に無勢ってやつか？
まあ、いつものことさ。
「やるか？変・身っ！」
左目が熱い、眼球が燃える。
周囲の熱を吸収し、身体が炭化したように黒く変わっていく。
髪は色素をなくし灰のような色になり、痛みが身体を蝕んでいく。
左目から流れる血はすぐに蒸発して霧散する。
「あああぁぁぁああああ！！！！」
無意識に叫び声をあげる。
気が狂うような激痛を無理矢理抑え込み、敵を睨みつける。
そうだ、あいつらだ。
あいつらがいなければ…！誰も、皆…！死ぬことはなかったんだっ！！
憎しみを力に変える。
全身の力の奔流を抑え込み、心に喝を入れる。
抑えつけた力が身体の表面を伝い、まるで金属のような装甲が覆う。
爆発するような衝撃を放ち、最後に顔を覆う。
「あぁぁ！！」
口すらも装甲に覆われて、ようやく頭の中がクリアになる。
さあ、復讐の時間だ。