模型工房シリーズの第2弾をお届けします。雨の日に静かに流れゆく模型作りの時間を絵と文で表現してみました。よかったらスマホの壁紙にどうぞ。

【雨の日の模型日和】

今日は朝からぽつぽつと雨が降り続いている。
外では傘の花がゆっくり行き交い、窓ガラスには小さな水の粒が踊るように滑っていく。

そんな中、この模型工房の中は静かであたたかい時間が流れていた。
作業台の上には、途中まで組み立てられた黄色いビートルと、ばらばらになった小さなパーツたち。手は忙しく動いているけれど、心は穏やか。

棚に並ぶ昔のプラモデルやロボットたちに囲まれながら、細かなパーツをひとつひとつ丁寧に組み上げていく。
雨音がBGM代わり。

時おり手が止まり、雨にけぶる外の景色に目がいく。
灰色の空、葉に落ちるしずく、遠くを走る車の光。
けれどすぐに、また小さな世界に意識が戻っていく。

やがて、黄色いボディの最後のパーツがはまり、机の上に小さな完成が静かに現れる。
気づくと雨は強さを増していた。
けれど部屋の中には、心地よい達成感と、雨の日だけに流れる穏やかな時間がそっと積もっていた。