不本意すぎる冒険の第一歩
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パラグラフ 1
あたしの名前? そんなのどうだっていいでしょ、どうせこの物語の語り手はあたしなんだからさ。
今日も今日とて、じめじめした師匠の書斎の隅っこで、ホコリをかぶった分厚い魔導書を枕に昼寝をキメ込んでいた。見習い魔道士の日常なんてこんなもんよ。お仕事といえば、師匠がどこかに置き忘れた老眼鏡を探すことか、庭の薬草を引っこ抜くことくらい。平和、というか単なるヒマ。人生のバグ。
「おーい、おるか、若いの」
ガラッ、と音を立てて開いたドアの隙間から、白髪ボウボウの妖怪……じゃなくて、我が師匠にして王国最高峰の大魔道士である老人がぬっと現れた。いや、ノックくらいしなさいよ。
「寝てません、起きてます。世界平和のために祈りを捧げてました」
「ふん。相変わらず口だけは達者じゃのう。ちょうどいいわい、お前に大事な『お使い』を頼みたい」
嫌な予感しかしない。あたしは全力で目をそらし、壁のしみを数え始めた。
「絶対めんどくさい。薬草拾いなら他のやつに――」
「よりによって、王宮の宝物庫から『黄金の王冠』が盗まれたのじゃ」
「……は?」
「犯人はどうやら西の魔の森へ逃げたらしい。お前、ちょいとちょいと、ちゃちゃっと取り返してきてくれんか? ついでに一人前の修行じゃ」
「待て待て待て! なんで王様の王冠を、よりによってこのあたしが!? 警備隊はどうしたのよ、国家の一大事件でしょ!」
「なに、ワシがうっかり『あそこに飾っておいたらカッコいいんじゃなかろうか』と王様に進言してしもうてな。おぬしが失敗したらワシのクビが飛ぶのじゃ。頼んだぞ!」
「人のクビよりあたしの平穏を守りなさいよ!!」
問答無用。老人はヒュッと風のような魔術であたしを窓から外へ放り出しやがった。着地ですでに服はボロボロ、手元には「がんばれ」とだけ書かれたメモ用紙一枚と風呂敷包み。
……くっそ、覚えてなさいよあのジジイ! あたしは舌打ちしながら、不本意すぎる冒険の第一歩を踏み出したのだった。
さあ旅立とう 心の準備ができたら(パラグラフ 42)に進め
あたしの名前? そんなのどうだっていいでしょ、どうせこの物語の語り手はあたしなんだからさ。
今日も今日とて、じめじめした師匠の書斎の隅っこで、ホコリをかぶった分厚い魔導書を枕に昼寝をキメ込んでいた。見習い魔道士の日常なんてこんなもんよ。お仕事といえば、師匠がどこかに置き忘れた老眼鏡を探すことか、庭の薬草を引っこ抜くことくらい。平和、というか単なるヒマ。人生のバグ。
「おーい、おるか、若いの」
ガラッ、と音を立てて開いたドアの隙間から、白髪ボウボウの妖怪……じゃなくて、我が師匠にして王国最高峰の大魔道士である老人がぬっと現れた。いや、ノックくらいしなさいよ。
「寝てません、起きてます。世界平和のために祈りを捧げてました」
「ふん。相変わらず口だけは達者じゃのう。ちょうどいいわい、お前に大事な『お使い』を頼みたい」
嫌な予感しかしない。あたしは全力で目をそらし、壁のしみを数え始めた。
「絶対めんどくさい。薬草拾いなら他のやつに――」
「よりによって、王宮の宝物庫から『黄金の王冠』が盗まれたのじゃ」
「……は?」
「犯人はどうやら西の魔の森へ逃げたらしい。お前、ちょいとちょいと、ちゃちゃっと取り返してきてくれんか? ついでに一人前の修行じゃ」
「待て待て待て! なんで王様の王冠を、よりによってこのあたしが!? 警備隊はどうしたのよ、国家の一大事件でしょ!」
「なに、ワシがうっかり『あそこに飾っておいたらカッコいいんじゃなかろうか』と王様に進言してしもうてな。おぬしが失敗したらワシのクビが飛ぶのじゃ。頼んだぞ!」
「人のクビよりあたしの平穏を守りなさいよ!!」
問答無用。老人はヒュッと風のような魔術であたしを窓から外へ放り出しやがった。着地ですでに服はボロボロ、手元には「がんばれ」とだけ書かれたメモ用紙一枚と風呂敷包み。
……くっそ、覚えてなさいよあのジジイ! あたしは舌打ちしながら、不本意すぎる冒険の第一歩を踏み出したのだった。
さあ旅立とう 心の準備ができたら(パラグラフ 42)に進め
プロンプト
なし
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