夕焼けのある時刻、二人は。
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放課後の教室には、もう誰もいなかった。
窓から入る夕陽が机の上を金色に染めて、カーテンだけが風にふわりと揺れている。
黒板には、今日の予定がまだ消されずに残っていた。
男子の名前は晴人。あだ名はハル。
女子の名前は美月。あだ名はミツ。
ハルは教室の後ろから、少し呆れたように声をかけた。
「ミツ、まだ帰ってなかったのか」
美月はノートに向けていた視線を上げて、にこっと笑う。
「ハルこそ。委員会、終わったの?」
「終わったけど……カバン取りに来た」
そう言いながらも、ハルは自分の席へは向かわず、美月の机の前で立ち止まった。
机に片手をついて、開かれたノートを覗き込む。
「勉強?」
「ううん。明日の小テストの範囲、まとめてただけ」
「それを勉強って言うんだよ」
「ハルには言われたくないなあ」
美月が少し笑うと、ハルもつられて笑った。
教室の外では、運動部の掛け声が遠くに聞こえる。
けれどこの教室だけは、時間が少しゆっくり流れているようだった。
ハルは窓の外を見て、ぽつりと言った。
「……今日の夕焼け、すごいな」
美月も振り向く。
オレンジ色の空の向こうに、町が小さく光っていた。
「うん。帰るの、ちょっともったいないね」
その言葉に、ハルは少しだけ目を伏せる。
「じゃあ、もう少しだけいるか」
「……ハルも?」
「カバン取りに来ただけだけど」
「ふふ、変なの」
美月はそう言って、またノートに視線を落とした。
でもペン先は、さっきより少しだけ遅く動いている。
ハルも何も言わず、机のそばに立ったまま夕陽を見ていた。
誰もいない教室。
帰りそびれた二人。
言葉にするほどではないけれど、確かにそこにある、少しだけ特別な時間。
黒板の文字はまだ消えない。
まるで今日の放課後を、もう少しだけ残しておくみたいに。
窓から入る夕陽が机の上を金色に染めて、カーテンだけが風にふわりと揺れている。
黒板には、今日の予定がまだ消されずに残っていた。
男子の名前は晴人。あだ名はハル。
女子の名前は美月。あだ名はミツ。
ハルは教室の後ろから、少し呆れたように声をかけた。
「ミツ、まだ帰ってなかったのか」
美月はノートに向けていた視線を上げて、にこっと笑う。
「ハルこそ。委員会、終わったの?」
「終わったけど……カバン取りに来た」
そう言いながらも、ハルは自分の席へは向かわず、美月の机の前で立ち止まった。
机に片手をついて、開かれたノートを覗き込む。
「勉強?」
「ううん。明日の小テストの範囲、まとめてただけ」
「それを勉強って言うんだよ」
「ハルには言われたくないなあ」
美月が少し笑うと、ハルもつられて笑った。
教室の外では、運動部の掛け声が遠くに聞こえる。
けれどこの教室だけは、時間が少しゆっくり流れているようだった。
ハルは窓の外を見て、ぽつりと言った。
「……今日の夕焼け、すごいな」
美月も振り向く。
オレンジ色の空の向こうに、町が小さく光っていた。
「うん。帰るの、ちょっともったいないね」
その言葉に、ハルは少しだけ目を伏せる。
「じゃあ、もう少しだけいるか」
「……ハルも?」
「カバン取りに来ただけだけど」
「ふふ、変なの」
美月はそう言って、またノートに視線を落とした。
でもペン先は、さっきより少しだけ遅く動いている。
ハルも何も言わず、机のそばに立ったまま夕陽を見ていた。
誰もいない教室。
帰りそびれた二人。
言葉にするほどではないけれど、確かにそこにある、少しだけ特別な時間。
黒板の文字はまだ消えない。
まるで今日の放課後を、もう少しだけ残しておくみたいに。
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