巡「ここがオーケニアですか…」
好華「ここから更に船に乗って隠れ里と言うところに着くのか。主女島から直接行ける転送ゲートがあるって話なのに態々船で行かなきゃならないのか。」
由衣「初めての異世界に行く娘達にはこの世界の環境を体験して欲しいって言う理事長の方針だからね。」

好華「それは分かるけどあいつら芳華達は転送ゲートで一足先に行ってるんだよ。お前みたいに同行してくれても良かったじゃんかよ…。」

由衣「まぁ、案内するにしても沢山の人も要らないからね。」
塁「だからこの娘が案内を買って出た訳よ。良い子でしょ？」
好華「まぁ、それは有り難いよ。巡と二人と言っても知らない土地は心配だし。」
巡「本当にありがとうございます。」

亜唯「それじゃ皆いってらしゃい！」
由衣「そっか、亜唯は街の方に用があるんだっけ？」
好華「僕もこの街に居る緋山の人間に会いたかったんだけどな…。」
亜唯「多分こっちに帰って来る頃の方がタイミング的には良いと思うから、その時を楽しみにしてなさい。」
好華「分かったよ。」

〜

なるみ「やぁ、亜唯。」
亜唯「お久し振りです、なるみさん！随分お腹大きくなりましたね。そろそろですか？」
なるみ「えぇ。多分後二、三日もすれば出産だと思うわ。ところで例の幽霊の娘も一緒かしら？」

亜唯「はい。見えないと思うけどちゃんと隣に居ますよ。」
マグノリア「…確かに見えないけど、強力な力を感じる。」
亜唯「マグノリアさん分かるんですか？」
マグノリア「悪霊は魔物に近い性質がある。だからはっきり見えなくても居るは分かる。」

なるみ「それじゃあ早速で悪いけど頼まれてくれる。」
亜唯「はい！海賊島に天使の幽霊が出るんですっけ？」
なるみ「正確には船長と副船長に憑いてるらしいのよ。東京の娘が時々幽霊が見える事があるらしいけど、幽霊が具体的に何を考えているかまで分からないから、貴方達なら意思疎通が出来るだろうって考えたのよ。」
亜唯「そうなんですね。」
なるみ「その海賊の人達には陸地の方に来て貰ってるから、そっちの方に案内してあげる。」
亜唯「はーい！」

亜唯「私達ならその幽霊さんの悩みも分かるだろうし任せて下さいね！」
幽(静かに頷く)