「柴ワンコを元に戻せ──！」

漆黒の巨体に最後の一撃が突き刺さる
刹那、爆音とともにその身は四散し、空に黒煙が舞い
友を取り戻すための戦いは、ついに終わったかに思えた

だがその瞬間、空間が軋むような音を立てて割れ
まるで無数の窓ガラスが砕け散るように世界が崩れ…そこに“それ”は現れた

──不気味な静寂
空間の裂け目から、異形の存在がゆっくりと姿を現す

「──標的、捕捉。排除プロトコル、起動」

冷たい声が響く感情の欠片もない機械のような宣告


……何だ、アレは

【9日目に続く】