苑「…とまぁ、そんな感じです。ラファエルとは優香先生と僕とで暮らし始めてそれなりになりますが、特に危害を加える様な真似はして来ませんよ。」
紫庵「…」
苑「僕は本土から移住して来た人間だけど、異世界で天使に出会った事もあるし、島の人達とあちらの世界の天使がどう言う関係か一応理解しているつもりです。」
苑「そんな感じで僕から言える事はこれくらいです。」
紫庵「分かった、ありがとう。」


優香「…貴方が天使を憎む気持ち、それ自体は重々理解してるわ。私達だって今でも悩まされ続けてる事だから。」
紫庵「…」
優香「それでもね、あの娘達姉妹は違うわ。天使達の教えに縛られてはいない。島の文化を受け入れて馴染もうと頑張ってる。だから私達も受け入れたの。」
紫庵「…」
優香「今すぐにとは言わないわ。時間が掛かっても良い。いつかあの二人を受け入れられる事、私達は信じてるわよ。」
紫庵「…分かりました。時間作ってくれて、ありがとうございます…」


冬子「お疲れ様。少しは心の整理が付いたかしら？」
紫庵「…」
冬子「私も、その…天使の話は理事長さんから聞いたわ。そんな世界情勢が存在してたなんて、思っても見なかったわ。」
紫庵「…でっ」
冬子「え？」
紫庵「…どこまで、聞いたの？」
冬子「どこまでって、島と異世界の天使の関係よ？」
紫庵「…」
冬子「貴方の事は聞いてないわ。貴方自身口に出せないくらい辛い思いをしたなら、態々聞き出す様な事はしないわよ。」
紫庵「………っ」
冬子「貴方自身がどんな辛い目に遭ったかは分からないけど、これだけは言える。…貴方なら必ず一番幸せになれるゴールに辿り着ける。それだけは分かってるわ。」
紫庵「ッ！！？」
冬子「だからね、明日からは貴方らしく元気に＿＿＿」



冬子「し、紫庵！？」
紫庵「少しだけ」
冬子「え？」
紫庵「少しだけ、ごうじて、いざせて、ぐださい…」
冬子「紫庵…」
紫庵「ずごしだ、け、で…いい、でず…がら………」
冬子「…分かったわ。好きなだけこうしてて良いわ。」



何だか重い感じの会話になりました。会話だけじゃ全貌も見えないし、こうなって来ると小説とか投稿してみたい気持ちになりますね。