待て待て待て待て待て待て！！！！
なんだよあのオバさん！！！！
爆発を避けつつひたすら逃げる。
防御したら死ぬ、間違いなく死ぬ。
愛用していた黄金の剣と盾も吹き飛ばされた。
魔法を撃っても弾かれる。
化け物みたいな強さのドラゴンだ。
だが、あのオバさんもマジでわけがわからない。
ドラゴンの隙をついて剣戟を当てようとしたが、視線だけで吹き飛ばされる。
一体どうなってるのか理解出来ない。
分かるのは一つ、
『とにかく逃げろぉぉぉおおおお！！！』

自分は生まれながらの勇者としてこの世界に転生した。
前世ではてんで暗くて誰からも相手にされない根暗だった。
好きな子には露骨に軽蔑され、友人すらもいなくて碌な人生は送れず、最後は事故で死んだ。
そんな俺に、この2度目の人生はたくさんの贈り物をくれた。
代々優秀な騎士の家庭に生まれ、幼い頃から高い教育を受け、声をかければどんな女もついてきた。
15歳になった時、国王に勇者として選ばれ、魔王討伐した暁には王女との結婚も認められた。
勇者としての儀式を受けるため、聖堂教会に行った際、聖女に出会い一目惚れしてしまった。
何度も彼女を口説いたが聞き入れられず、最後は魔法で彼女を傀儡として手に入れた。
そこから俺は教会から追われる事となり、勇者を守る国と聖女を取り返そうとする教会の仲が悪くなったらしい。
だが、それは別に知ったこっちゃ無い。彼女が俺の物になった、それだけで良かった。
なのに…！！！

「あんたさ、聖女様だけじゃなく公爵家の令嬢とかも誘拐したでしょ？神様以外にも色んな人から頼まれてるのよ。あんたを捕まえて欲しいってね」

そんなくだらないことで俺は追われてるのか！
俺は間違ってない、俺といるのが彼女達の幸せなんだ！
このゲームみたいな最高の世界で、俺は今度こそ、勝ち組になるはずだったのに！！！！

「いい加減、諦めてお縄につきなさい」
あんなデコが光るメガネにやられるなんて！！！！！

「あんた、失礼なこと考えてるわね？」
不機嫌なオバさんの顔が見えたと思ったら、俺はそのまま閃光に包まれ、意識を失った…。

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『異世界転生したら異世界転移してきたOLにボコられた件』の続き。
デコメさんに勝てるわけないじゃなーい？
自己満足テキストの続き読みたい人いるなら続けるけど、さすがにいないよね？