

ミオ・ソーティス
みお・そーてぃす
ミオ・ソーティスは水使いの獣人である。獣人は、彼女が生を受けた世界において、魔法が使えないとされている。だが彼女はその世界の常識を覆した。生まれながらに水の上に寝転がると、水の底を這い這いし、水の精霊に親元へ戻される日々を送ってさえいた。
獣人において歴史上存在しない希代の水使い。しかし種族を問わず比較すれば決して珍しくは無かった。前例はあった。ここまでは。
創造神の気まぐれか、退屈しのぎか、寵愛か。彼女の特異性は種族の括りを外してなお健在だった。
嵐を帰らせ、波濤を空に浮かべ、深海の縁に手を掛ける。内陸に海をひとつ作ったところで、彼女はやり過ぎたかもしれないとようやく反省した。周りから言わせれば反省の色がまるで見えない程度に。
冒険者として彼女は水の都ウェスティリアで活動している。誰が呼んだか、「ターコイズの瞳」。今日も彼女は水と共にマイペースにやり過ぎている。
獣人において歴史上存在しない希代の水使い。しかし種族を問わず比較すれば決して珍しくは無かった。前例はあった。ここまでは。
創造神の気まぐれか、退屈しのぎか、寵愛か。彼女の特異性は種族の括りを外してなお健在だった。
嵐を帰らせ、波濤を空に浮かべ、深海の縁に手を掛ける。内陸に海をひとつ作ったところで、彼女はやり過ぎたかもしれないとようやく反省した。周りから言わせれば反省の色がまるで見えない程度に。
冒険者として彼女は水の都ウェスティリアで活動している。誰が呼んだか、「ターコイズの瞳」。今日も彼女は水と共にマイペースにやり過ぎている。